インターネット大学院(SUGSI)のまとめ
Update : 2006.3.31
2003年4月にSUGSI( 信州大学インターネット大学院 )
の博士前期課程に2期生として入学し、+1年の長期履修を行い2006年3月までの3年間で経験した事をこのページに纏めてみました。
あらかじめ断っておきますが、これはあくまでも私個人が感じた事をまとめたものになります。
主観、偏り等は大いにあるかと思いますし、属した研究室、担当教官等環境によって大きく違うこともあるかと思いますのでご了承ください。
また、入学した年代によって制度が違うことがあります。特に私の2期生までと3期生以降はかなり違ってます。ですので、現在の制度と違うことは多くあると思われますのでその違い等私にはわかりかねますので、重ねてご了承ください。
後半には良く聞かれる質問をFAQとしてまとめてみました。
SUGSIとは
インターネット大学院とはいったい何だったのでしょう?
一言で言うと「通学しなくても修了に必要な全ての単位が取得できる大学院」ということになるかと思います。
しかし、決められたスクーリング等を除き通学する権利の無い通信制とは大きく事なる点が
通学して単位取得する方法もあるということです。
実際にそういう方がいらっしゃるのかわからなかったのですが、修了式・卒業式で知り合った
インターネット大学(SUSI)の方がいらっしゃいました。
選抜試験
私は2期生だったということもあり殆ど情報の無いままSUGSIの社会人選抜試験に臨みました。
経験だけはそれなりにあったのと、特許も出しているので見栄えはそれなりに書くことは沢山有った業務業績報告書、
何を書いていいかわからなかった履修計画書、
とりあえず書いた研究計画書の3つを準備しただけです。
どんな内容の試験なのかも情報が無いままでした。
そして、実際の入試面接に対しても研究計画書の内容の研究はする特にしたいというわけではない。
語学は仕事柄データシートを読むことはあるがそれ以外の用途には殆ど自信が無い。
と、合格してから履修に差し障るようならお金の無駄なので、それなら不合格になったほうがましだって思って正直に言った記憶があります。
入試内容は公開するのは控えますが、あっけないものでした。
日記にも書いてますが、あの内容で落とされたら落とされた理由がわかんないし、合格する為には次に何を対策していけばいいのかわかんないな?って感じでした。
実際には合格したわけですが、合格率も高く、つまりは勉強したい人はWelcome! 但し勉強しない人は修了させないよ!ってことかな?って思います。 広く勉強する機会を与えてもらえるこの考えは私は賛同いたします。
履修
私の属した大学院(博士前期課程)は、CAIをクリアし必要単位を取得し、研究を行い論文を書く。
ことで修了条件を満たすことになります。
一番大事なのは時間でした。
学生と違い社会人ですから殆どの人は普段は仕事をしています。
家庭を持っている人もいるでしょう。
そうなるとCAIや研究を進める上での重要な要件は時間ということになります。
資格の勉強とかなら1日10分でも毎日コツコツと!っていう感じでできるのかもしれませんが、
ことCAIとなるとそうは行きませんでした。
もちろんCAIの勉強部分に関してはそういう感じでもいいのですが、
CAIの単位認定の為には試験をクリアしなくてはいけません。
プログラム提出やレポート課題のような提出型のものもありますが、
オンライン試験も多くあります。オンライン試験の場合10問以上ある問題すべてをクリアしなくてはいけません。途中で間違えたらまた1問目からというかなり厳しいものです。
簡単にクリアできるものもあれば、ややこしくてクリアするのにかなり時間かかるものもあったりしました。
平日に仕事から帰って夜中に勉強をはじめてそういう時間必要とされるのはかなりしんどいです。
途中で保存も出来ませんからあきらめるかやりつづけるしかありません。
しかもやっかいなことに何問で終わるのかが分らないのです。
10問で終わるんならがんばろうって思っても13問、14問、まだ終わらない。
あぁぁもう3時過ぎたよ。明日どうなるの?
っていう状況もあったりしました。
そうなると時間が無い人間はかなりしんどくなります。
私の場合平日はほぼ毎日22時以降の帰宅時間になるような状況です。
休日出勤もあるし、家に帰ってからも仕事してたりすることもありましたので、
CAIをクリアするだけでも2年近くもかかってしまいました。
まぁ研究内容が決められなかったというのも関係あるんですが、そのおかげで3年間かかることになりました。
研究
大学院(博士前期過程)の場合、CAIは前菜であって、一番大事なのは研究でしょう。 私が入学願書と共に送った研究計画書に沿った研究をしてたとしたら4年でも終わらなかったかもしれません。それほど自分にとったらハードルの高い研究内容でした。 ですので、自分が院でどの程度の研究をすべきなのか?っていうのにすごく悩みました。 いくつかの修士論文発表会を聞いて参考にしようとしたのですが、人によって全然レベルが違います。 え?これだけ?っていうのもあれば、ちんぷんかんぷんなのもあります。なので結局は修士論文発表会を聞いてもどのレベルの完成度が必要なのかが判らずじまいでした。 結局準備されている課題を選んだわけですが、そのままではさすがにエンジニアである自分にとってあんまりプラスにはならないなって思い、自分なりにハードルを上げアレンジした内容としました。 おかげで3年目の後半の半年はかなり大変でした。ただでさえ時間の無いのに加えて、自分でも出来るかどうかわからない物をターゲットにしてしまいましたからね。 でも、当初予定してた中間発表した内容では金銭面だけでなく実装面においても困難ということがわかり、途中で方向修正をせざるを得なくなりましたが、最終的には自分なりに納得の行くものが出来たと思ってます。
長期履修
私が入学する時には長期履修制度はなく、単純に2年履修で4年間まで在籍できるけど留年した分はそれだけ授業料もかかる。という制度でした。
途中で2年間の学費だけでOKという長期履修制度が出来たのですが、我々の世代まではこの制度の利用に際してはその通りは適用されずに多めに学費がかかる結果となりました。
それでも単純に1年留年するよりは安く済んでいるはずなので良かったと思います。
実際にはCAIに2年、研究に1年かかったことになります。ですので、時間が取れてCAIに苦労しなくて、研究内容がしっかりと決まってる人は2年ないしもっと短くできるのではないかと思います。
早期修了制度
1年ないし1年半で修了される方は数名だったと思いますが見受けられました。 どの程度のレベルの研究であったのかまでは把握してませんが、1年で終わらせる為には少なくともCAIは入学後夏前までには殆どクリアしておく必要があるかと思いますし、研究の方も夏にある中間発表である程度方向性や内容が定まっている必要があるかと思いますので、相当な準備が必要かと思います。 逆にいえば準備さえしっかりしていれば早期に修了できる事も容易だということになります。
指導教官
大学院に関しては指導教官が重要かと思います。
入学時に指導教官の希望は?と聞かれます。
選抜試験の面接時にも聞かれたかもしれません。
やりたい研究の内容が決まっていればあらかじめ調べて教官を指名するという方法や、
メールなりBBSなりでコンタクトして相談するという方法も良いかと思います。
私は研究内容が決まったのが入学後2年後ということもあり、入学時にはまったくそこらへんはケアしてませんでした。
そういう人も多かったらしく、指導教官は希望無く割り振られました。
メンバーをみるとどうもあいうえお順で割り振られたんじゃないかな?っていう感じすらするメンバーだったのがちょっと気にはかかりましたが。。。
まぁ私の場合は教官について研究を行うというのではなく、単独で進め、途中で成果を報告してアドバイスを受けるという形でしたので、特に支障なく進められました。
他の研究室に属してはいないので比べることはできませんが、指導教官(研究室)による違いもかなりあるらしく、私の場合は「研究室の時間」という感じで学校に来る機会を作ってもらえたり、月に一度の進捗報告メールのやりとりがあったので、良い方だったのかもしれません。
学友
通信制ではありませんが、インターネットでの履修となると通信制と同じように孤独感があるのは否めません。 本当の学生時代と違って、今の学友となると住所も年齢も仕事も知識もバックグラウンドも全然違う人たちの集まりとなります。 もちろん全ての学友が向上心がありすばらしい人ですとまでは言えませんが、それでも一般社会で出会う人たちよりは遥かに向上心がある人の割合が多かったと思います。 そういった人たちとやり取りすることで、モチベーションを高めたり維持したりということが楽になりました。 残念ながら同じ研究室の仲間とはやり取りは殆ど無かったのですが、 学校とは別の機会(非公式研究会とかML)で知り合った人や、 またこのWEBを見てコンタクトしてきてくれた人達とで、学生時代のクラスメート位の人数は知り合いになれたと思ってます。 修了後は会う機会も少なくなるでしょうし、関係も希薄になっていくのは否めませんが、それでも大事な学友であることには変わりません。
修士
修士という学位を得たわけですが、 新卒や第ニ新卒くらいの20代ならともかく私くらいの歳になると社会で生きていくのにはほとんど役に立たないでしょう。 ましてや博士課程後期に進むわけでもないわけですからね。 実際に会社に対しても学位を得たことを報告する必要はありません。 仮に報告しても給料はあがりませんし、査定も関係ありません。 次に転職する時があったとしたら、若干有利になるのでしょうか? まぁマイナスにはならないでしょうが、学位のおかげで就職が左右されるというのは無さそうです。 知識や経験もそれなりに得たとは思いますが、3年間、150万以上かけてますから、コスト対効果でいくと低いものかもしれません。言ってみれば自己満足の世界です。 それでも自分に取ったら区切りでありますし、達成できたということが重要です。 知り合いも増えたし、この経験は残り少ない人生(^^; でも必ず活かされるものだと思ってます。
FAQ
よくメールで聞かれる質問があるので、ここに簡単にまとめておこうと思います。
一度も学校に行かなくても修了できるんですか?
最低でも選抜試験と論文発表会くらいは行かざるをえないとは思いますが、
障害等の相応な理由があればネット上で対応してもらえるかもしれません。
でも、時間とお金が許すのであれば、他人の研究発表会を聞きに行ったり、
指導教官と直接話しに行ったりという事はしたほうが良いかと思います。学友も増やすチャンスです。
自然豊かだし食事はおいしいし温泉も多い。良い所ですから観光も兼ねて行かれてはいかがでしょうか?
選抜試験の内容を教えてください
試験対策というのは好きではないですし、そんなもの無意味なので事細かには教えるつもりは無いです。 私の日記を読んでいただくと多少なりともわかるかなとは思いますが、 学校で何をやりたいのか、それが出来る根拠はあるのか、等々のしっかりした考えさえあれば良いかと思います。 これもあくまでも私の時の社会人選抜の話で、最近はどうなのかわかりませんし、 また一般選抜の内容もわかりません。
CAIをやる上でパソコンの最低限必要な環境は?
インターネット接続できるというのは最低限の条件ですし、CAIを行うには常時接続型である方がいいでしょう。
スピードは特に要求されるものは無かったはずなので、64kbps等でもなんとかなるとは思いますが、まぁADSLの1Mbpsタイプ位はあった方がよいかと思います。
パソコン自体も特にスペックを要求されるものは無いですので、特に気にすることはないでしょう。
ただしOSはWindows98やWindowMEよりはWindows2000やWindowsXPのように安定している方にすべきかと思います。
WindowsでなくMacでも履修は可能だと思います。ちなみに学校側から斡旋されるパソコンはMacです。
でもCAIをやる限りにおいてはMacである必要は無いかな?
ただ、私のときはWindowsでないと動かないっていう何かがあった記憶があります(PIC?)。
今でもどうなのかわかりませんので、Macをご希望であれば、学校側に問い合わされることをお勧めします。
CGIとかのCAIだとLinuxが動くパソコンがあった方が便利かなって思いますが、
別に新しくパソコンを買わなくても、coLinuxとかVMwareあたりで十分でしょう。
CAIをやる上で他に必要なものは?
基本的にはパソコンだけですが、
参考書となるような書籍はいくつかの教科ではあった方が良いかと思います。
例えばプログラミングにはリファレンスマニュアルがあった方が良いという感じです。
ご自分の得手不得手と、必要性を考慮して購入すべきではないかと思います。
まぁ今はWEBで調べればある程度のことまでわかりはしますが、
よく出来た本には勝らないんじゃないかと思います。
ちなみに私の時には学校からの指定で1冊書籍を買わされてますが、今はどうかわかりません。
また、研究をする上では論文を書く必要があるので、その書くツール。
例えばWordなんかが必要になります。
データ処理でグラフを書くってことになるとExcelのようなソフトももあった方がいいでしょう。
もちろんOfficeでなくても目的が達成されれば別のソフトでも構いません。
ただ最終的には誰でも読めるフォーマットにする必要があるので、PDF化出来た方が良いのかもしれません。
CAIを教えてください
私に聞くより、各教科で準備されているBBSに質問するなり、担当教官にメールするなりして聞くのが本筋です。 BBSの過去ログも参考になるでしょう。 質問をしても回答がないとかわからないというのであれば、質問の仕方を変えてみたらいかがでしょうか? 〜〜がわかりません。という聞き方では満足する回答は得られません。 どこまでどのように考えてこう思うんだけどとか、 ちゃんと自分でどう考えているのかを示すべきです。 教える方の身になってご自分の現状をブレークダウンしてみてください。
どの教官がお勧めですか?
私は一つの研究室に属しただけで他の研究室をよく知らないのでなんともいえません。 もしやりたいことが決まっているのであれば、その内容に沿った教官をご希望されるのが良いかと思います。 人間的に合う合わないもあるかと思いますので、入学前にメールなり実際に学校に行くなりして直接話してみるというのも良いかと思います。
どんな学生さんがいらっしゃるんですか?
それこそ多種多様です。 年齢では20代の若い方から定年後の年配の方。 男性が多いですが、女性もいらっしゃいます。 仕事もIT関連、公務員、教員、フリーター、無職等々様々です。
その他にアドバイスください
知り合い(学友)を作ることをお勧めします。 それこそ他の研究室がどうなのかとか気になるのなら情報も入ってくるでしょうしね。 入学前でも論文発表会を聞きに行くというのもお勧めです。 そこにいるIT生に声をかければ一気に知り合いが増えるかもしれませんし、 うまくいけば色々とお話も聞けるかもしれません。 また、私のようにWEBを作るということも知り合いが増えるきっかけになります。 今ならBlogでもいいでしょう。 知り合いを作る目的でなくても、色々なメモということでBlogに残すというのは結構お勧めじゃないかな?って思います。
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